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ちいちゃんのかげおくり [関係ない話]



上の子には毎日、教科書を音読する宿題が出ています。

最近、『ちいちゃんのかげおくり』を読みます。
とても子供らしく、元気良く読んで聞かせてくれるのですが、
それが主人公の幼いちいちゃんと重なります。

戦時中の空襲での出来事が描かれています。

できるだけ真剣に聞かないようにしているのですが、
ちいちゃんが家族に会えたことを聞いた瞬間、
どうしても涙をこらえることができません。

  (とにかく、こらえている時に話しかけたり、顔を覗き込むのはやめて下さい)

殺人が良いおこないでないことは、誰もが知っているはずだし、
それを肯定する国家もどこにも無いはず。

それなのに、ことが戦争ということになると、
たくさん相手を殺した人間がヒーローになる。
たくさん人を殺した国が勝利する。

時には正義のハタのもとに、人々を救うはずの神の名のもとに
殺人が肯定される。

このお話は、とても悲しいけれども、そんな悲しみをどんどん作り出しながら
戦争は成り立っていることを改めて思い出させます。

私は戦争を知りません。

しかし私の祖父は、父が小さい頃に戦死しました。
一度は負傷して帰還したものの、傷が癒えると再び戦地に向かったそうです。
二度も自分の父を見送り、そして突然失った父は、
やはりつらかっただろうと思います。
そんなつらい思いをした人々であふれかえっていた時代が、
絵空事でも、遠い国の話でもなく、過去、たかだか70年ほど前に、
この日本にも本当にあったのです。

空襲では都市部のみではなく、私の住んでいる岐阜さえも焼け野原になりました。
言ってみれば、日本人は皆、負けた戦争の生き残りなわけです。

たくさんの犠牲を出した戦争のあと、
戦争の悲惨さとむなしさを知り、戦争を憎みはすれど、
相手をうらみ続けることをやめた日本人はえらかったと思います。

小学3年生の子供たちがこのお話をどれほど理解しているかは
分かりませんが、教科書に載せる価値は十分にあるとは思うのです。
この短い文章で、戦争というものの本質を良く伝えていると思います。

上の朗読の動画では一部文章が省略されている以外はほぼ原文のままです。
これを小学生が音読したときの効果は反則ワザとも言えるほどです。

反則はテンカウント(十秒)以内で、やめて欲しい。


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